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Simple

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6時。
朝焼けの中、
止まることのないワゴン。

一晩中走り続けたワゴンの中で、
同じく僕も眠れなかった。

そして満月の月明かりに照らされた雲を眺めながら、
恍惚とした気分にさえなっていた。

どこまでも付いてくる月が、
とても間近に感じられ、
小さい頃はなかなか理解出来なかったウサギが、
今ではハッキリと認識できる。

そんな澄んだ感覚で、
ずっと空を眺めてた。

終わりが近づいてくる。

旅が終わったらどうなるのだろう…。
きっと忙しい日本の生活に飲み込まれるだろう。
ワゴンに乗っているのは明らかに僕なのに、
日本に帰ったらまた別の自分になってしまう気さえする。

飾らない為に、飾ってしまう自分。
本当に大切なモノを見失い、
必要でないものばかりを探してしまう自分。

裸で遊ぶひとりの少年が、
目の前の小石を蹴り続けていた。
彼には小石しか見えてなかった。
自分の感性で、
周りの目も気にせずに、
ただ一心にその小さな石に集中していた…

シンプルな視野は、
僕にはとても眩しく映った。



7時には、
”アンツィラベ”で別のワゴンに乗り換えた僕ら。
さすがに他の客達は全員降りてしまった。
”ムルンダヴァ”~”フィアナランツァ”までを
一発で向かうのは相当馬鹿げているのかも…。
だって運ちゃんもそこで交替したもの。

まだまだ走る詰め込みワゴン。
”フィアナランツァ”への到着は13時だった。
24時間越えの超移動が終った。

小雨の中食事をとり、宿へ。

宿”ANINOFY”は天井がウッド調な清潔な宿だった。
ツインでひとり11500アリアリー(約600円)。
欧米さんも泊まっていたが、
オーストラリア人の高校生の団体もいた。

僕らよりも高価な食事を摂り、
しっかりシャワーを浴びてから、
中庭の自分達のテントへと帰って行く…。

う~ん…価値観が違うぜ…。

僕は着いて早々、
シャワーの後には泥のように眠ってしまう。

カズが3度ドアを開けたが、
ずっと同じ格好で眠っていたらしい。

相当疲れていたのだろう。
まだ明るい間に5時間は眠ってしまった。

1階のレストランで夕食後、外を歩く。
街には特に魅力を感じなかった。
首都”タナ”に次ぐ第2の都市なのだが、
嬉しくなる様な便利さはないようだ。

ただかなり涼しくはなった。
標高が高いのだろう。
ファンが無くても夜は寝むれそうだ。
by hiro5159 | 2008-12-11 21:46 | マダガスカル

三十路オーバーの世界一周旅行日記、タイトルは唄の種の略


by hiro5159