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天空の修道院

昨日は21時の暗闇の中”カランバカ”に到着した事もあり、ホテル”odysseon”にチェックインするまでは周りの景色を認識できていなかった。
ただ、”アテネ”から列車で5時間北上しただけで、
ここまで気温が下がるとは思っておらず、思わず半袖の上にフリースを羽織った。

そして”カッパドキア”を素朴にした様な印象だけは受けていた。

朝は町の中央に位置する噴水の前から、
9時の”メテオラ”行きのバスに乗り込む。
そこからバスで登る事20分。
中でも最高所で最大の”メガロ・メテオロン”に到着。
車中、観光2日目の日本人と話をすると、昨日は大雨だったらしい。
昨日の車窓の景色がやたら澄んでいたのは、やっぱりそのせいなのだ。
今日も雲が空を覆っていた。

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バスを降りた瞬間に迫ってくる岩壁に度肝を抜かれる。
”メテオラ”とはギリシャ語で”宙に浮かぶもの”と言う意味。
大きな岩山の頂上にオレンジ屋根の建物が建っている。
これは”修道院”なのだ。
その昔、キリスト教の弾圧を避ける為に岩の上に移動した修道士達。
登るのも困難な絶壁の岩の上でどうやって建築したのだろう。
”世界で最も険しい場所に作られた修道院”と言われてるのも頷けた。
世俗から遠く離れた場所を縄梯子で行き来していたそうだ。

ただ、毎週火曜日は休みのこのメインの修道院、仕方なく降りる。
ここからは歩きで山を下りながらの修道院巡りとなる。

”ヴァルアラム修道院”は歩いてすぐ右手に現れた。

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谷に架かる橋を渡り、岸壁の階段を登る。
登っている間に青空が顔を出し、気持ちも澄んできた。

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修道院から谷を覗く。
眼下には鳩が鳴きながら滑空している。
気持ち良く風にのる鳩を上から眺めると自分も飛んでいる様な気分にさせられる。
そして、こんな気分になるのはきっとこの視界に緑が溢れているからだろう。
緑があると景色もいっそう映える。

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そう言えば、火山活動の末に出来た”エーゲ海の島々”では緑は殆ど見れなかった。
久しぶりに見る、鮮やかに生い茂る緑を見て、
幸せな気分にさえなる。
見ている自分が誇らしく思える程だった。

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人を圧倒する体裁を持ちながら、それ自体が”ガツガツ”と強調しない所は”修道院”だからなのだろう。
こんな場所で現在でも世俗から離れ、修道士達は瞑想している。
飛んでいる鳥達よりも高い場所で、
風の音だけを聞きながらの瞑想はどんな気持ちだろう…。
いずれにせよ人里離れた崖の上は、
瞑想には打ってつけの場所なのだ。

その後も2つの修道院を巡って”カランバカ”の街まで歩く。

”カランバカ”~”メテオラ”が往復21kmなので、下りで10kmを歩いた事になる。
しかし、到着するまでは殆ど疲れを感じなかった。
”メテオラ”の景観は確実に僕を後押しする力を持っているのだ。

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by hiro5159 | 2008-09-16 02:59 | ギリシャ

三十路オーバーの世界一周旅行日記、タイトルは唄の種の略


by hiro5159