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米をバックバクギャモン

標高550mの高原都市ゆえに朝は冷える。
10月で最低気温5度前後と言う事で、暖房を使わないと手が”かじかむ”程だ。
1月が年間で一番寒いと言う”ソフィア”。
秋の終わりを感じさせる、
しっとり重く、済んだ空気に少し物悲しさを感じた。

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紅葉した街路樹の下をコートを羽織った人々が歩く。
”斉藤和義”や”ビートルズ”が似合う、そんな景色だと思う。

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起き抜けに”テラス”から町を覗く。
歴史を感じる重厚な建物の真ん中を”トラム”が走っていた。
この”テラス”から眺める天気によって、今日の予定を決めようと思う。
灰色の空から”しとしと”と雨が降っている

今日は午後まで部屋で過ごした。

寒さからか、”むしょう”に温かいご飯が食べたくなる。
折角キッチンがあるので、利用しない手はない。
地図を広げると”ツム百貨店”を見つけた。
「キルギス」の”ツム百貨店”では中国物産コーナーがあって、”海苔”があったのを思い出した。
期待が膨らむ。
散歩がてらに”マサくん”と向かった。

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15分程で到着。
中に入ると、高級家具や、ブランド雑貨等が並んでいる。
「キルギス」のとはまるで印象が違った。
客も居なくて閉散としたデパート内。
高級家具で”社長ゴッコ”して遊んでると、
「カメラ撮っちゃダメ」と注意された。
どんだけハシャグつもりっ!?

食材が無かったので、
外へ出て”ジェンスキ・バザール”に向かう。
こちらは活気に満ちている。

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米2kg、ジャガイモ1個、玉ねぎ1個、卵5個買い、部屋に戻る。

僕の”マサくん”の第一印象はしっかり者の長男。
しかし、4人兄弟の3男らしい。
確かにイギリス留学経験を持つ彼は、”英語”を話す時は大人びて感じるが、
”日本語”を話す時は”永遠の弟”的な雰囲気を醸し出してた。

留学時期に鍋で米を炊いていた経験があるので、心強い。
共同で米を炊くことに。
鍋に、米を”3合のつもりの”4合を入れ、研いで水を加える。
水の量は「キルギス」で”62歳石田さん”に教えて貰った通りに手の平を浸して計る。後は火加減。
ただ、キッチンが電磁調理器なので、加減がわからない。
先ずは9段階の最高9に合わせ沸騰させた。
沸騰したあと、3まで落として蒸らす。
蓋を少し開けたままで”くつくつ”蒸らす。

100円ワインを飲みながら、しばらく歓談。
10分後…蓋を開けて様子を見てみると…水が無くなってる。
”火加減”が強過ぎたのだ。
生まれて初めての鍋炊飯に”ちゃっかり差し水”をする事に。
”ビックリ”しただろうね、米。

水分を余り吸収しない性質の米だったので、
水が無くなってから、たっぷり1時間程蒸らした。

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蓋を開けて、味見する。
「美味いっ!!」
ビックリ水のおかげで”コシ”もついたような…。
とにかく申し分ない味。
久しぶりのお米の味に”日本人”である自分を痛感した。
やっぱりこれ以上の主食は無い。

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僕の作った失敗型”スパニッシュ・オムレツ”と
ふりかけ4つをテーブルに並べて、食べた。

スペシャルな時間。
2時間前に、宿のフリーパスタを食べたばかりなのに、ご飯4杯も食べてしまった。
「ウマイ、ウマイ」と食べてると、同室の”井川クン”(井川投手に似てるから)
が帰ってきた。
ご飯を勧めると「ウマイ、ウマイ」と食べてくれた。

僕はその時、何故か心の中で”人はひとりで生きているんじゃないんだ”等と考えていた。
それぞれに無いものを補い合えば良いのだと思う。
それはきっと3人が3人共、まるで個性が違ったからの様に思える。
経験豊富で無邪気な”マサくん”。
飄々としたマイペースな”井川投手”。
と割と素直なオジサンの僕。

似た様な人間ばかりだとつまらないな。

”井川投手”から”バックギャモン”を教わる。
”陣地取り”と”すごろく”を足した様なゲーム。
ひとつの駒では弱く、相手の駒が重なると弾かれてしまう。
しかし、2つ以上の駒が重なってれば、弾かれる事はない。
ひとりよりも大勢の方が強い。

旅も同じだ。
1人より2人。
それが違う個性ならば、更に強い武器となる。
by hiro5159 | 2008-09-26 23:48 | ブルガリア

三十路オーバーの世界一周旅行日記、タイトルは唄の種の略


by hiro5159