人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中国脱出日

という事で、ついに中国脱出日。
北京時間の時計で10時出発なので、早めの8時にはバスターミナルへ。
しばらく待って乗り場の方へ。

相変わらずものすごい荷物。結局日本人は僕とイズミさんだけだった。寝台バスの窓際2段目…に陣取った。出発は1時間半遅れて11時30分にようやく動き出す。

18時。ようやく中国のイミグレに到着、ここからが長かった。まず簡単なパスポートチェックがあり、その後皆で別室へ。そこで荷物検査が始まるのかと思いきや、また最初の部屋へ連れて行かれる…なんだかドタバタだ。結局最初の部屋で出国のスタンプが押される。押されたパスポートを持って、また中国側に連れて行かれ今度は荷物検査が始まる。ここで細かいチェックが始まる。一度X線に通した荷物をその後、一つ一つ開けさせられる。「ブックス!」と言い、持っている本を調べられ、その後パソコンとデジカメを見始める。パソコンは電源を入れさせられ、”最近使ったファイル”を一つ一つ調べ…ていうか見られてるだけだ。デジカメも最近撮ったものを見た後、確認のためカードまで一時的に持っていかれる。こんな細かいのは初めてだ。調べ方も興味本位なのが伝わってきてイライラしていた。
中央アジアへ行くにあたり、ポルノ系の持込みを調べているという意見もあるが、理由はわからない。

中国脱出日_f0155211_21434713.jpg


とにかくこれで「出国完了」。ビザ切れの2日前、文字通り脱出になった。
バスが動き出したのが19時30分。
バスの荷物を一旦取り出して、また詰め直すという作業を行ったポーターに対して皆、荷物代として10元(150円)取られる。

5kmほど走るとキリギス側のイミグレが現れる。その間に警官が乗り込んできて、事前に集めたパスポートを見てなのかわからないが、ピンポイントで乗客に話しかけている。そこで集めているものは明らかに賄賂。キルギスタンの警察の腐敗は噂どおりだった。
僕ら日本人やウズベク人などは何も払わなかった。

その後皆降りてイミグレへ。ココは非常に簡単。「コンニチワ」なんてロシア系の軍人が愛想…は良くは無いがすんなり通してくれる。これで初の中央アジアのスタンプが押された。キルギスのハンコは車の絵が入った可愛らしいものだった。

そこで出発する時、日本人と台湾人の2人が乗り込んでくる。彼らは同じく”カシュ”からバス待ちをしていたのだが埒が明かず、タクシーチャーターで通過を試み無事にキルギス入国を果たしたのだが、その後の”オシュ”までの足が捕まらず足止めを食っていたのだ。その様な日本人がいる事を”カシュ”のバスターミナルで既に聞いていた。

そして出発。粉雪が降る山間を走っていく。ベッドで布団に包まると直ぐに眠ってしまった。

目を覚ましたのは深夜0時だった。”ギュルギュル”とタイヤの音が鳴り響き、車内が”ザワ”ついている。どうも雪でスタックした様なのだ。男達は外へ。メッ!…メッチャ寒っ。標高3500mの山間部でもう辺りは銀世界。
ハマッた足元を見るとタイヤはノーマルタイヤ…ありえないよ…。
僕はTシャツにフリースの状態で、バスの背中をひたすら押しまくった。

中国脱出日_f0155211_21442756.jpg

中国脱出日_f0155211_21445117.jpg

折角なんでウズベキ人の”アユボン”とお互いを撮り合った。

軽い上り坂で止まってしまったバスは、15人程の男達の「ウオーー!!」の掛け声で押されて一旦前進してはは再び下がるの繰り返し。30分程頑張って(凍えそう…)無理だと判断した運ちゃんは驚きの行動にっ!!

中国脱出日_f0155211_21452159.jpg


なんと初めてタイヤにチェーンを巻き始める(最初から使えよっ!!)

装着後も、走った勢いで1度は外れる程のガチガチに凍結した路面状況で、2度目には何とか脱出出来ました。ハマってから1時間後の深夜1時だった。

走り出した車内で冷え切った耳を両手で何度も擦り温めながら、テンションが上がった有志達は目を合わせると、ニコニコと互いを称えあっているのが印象的だった。

冷え切った身体に布団を包ませ身体を温めた…それからはひたすら深い眠りに落ちていった…。
by hiro5159 | 2008-05-05 21:42 | キルギス

三十路オーバーの世界一周旅行日記、タイトルは唄の種の略


by hiro5159